口語訳 遠野物語 (河出文庫)

理不尽や不条理を噛み砕いて飲み込もうとする時にオカルトとかスピリチュアルな物語を作り上げてしまうのは人間の性というか、生まれ持った知恵なのかもと思った。宗教とか神様とかもそうだし。

オカルトとかスピリチュアル、つまり「天狗の仕業じゃ!」って言われたら、かつては納得するしかなかった訳で。天狗の仕業じゃ仕方がない。仕方がないはずなんだけど、今じゃ誰も納得しないし許してくれない。論理的に、あるいは科学的に、原因を追究せずにはいられない。謎を謎のままにしておくことができない。そして無理にでも現実の何かの、誰かのせいにしてしまう。天狗の仕業、つまりオカルトとかスピリチュアルのせいにしたら相手にされなくなる。さびしい。